「動名詞」と「不定詞」

英文法の基礎を学ぶ上で、「不定詞」と同じくらい大切な「動名詞」。

どちらも会話でよく使われますが、その使い方や意味の違いをしっかりおさえておくことが大切です。

そこで今回は、動名詞について、不定詞との違いとともに解説していきます。

１．「動名詞」とは？

動名詞とはその名の通り、動詞にingをつけることで名詞の働きをする表現のことです。文の中で、主語や目的語として使うことができます。

《例》

Talking to customers is important.（お客さんと話をすることは大切です。）

Driving fast is very dangerous. （速く運転することはとても危険です。）

She likes drinking wine.（彼女はワインを飲むことが好きです。）

It started raining. （雨を降ることが始まった⇒雨が降り始めました。）

２，to不定詞との違い①

講座をご覧いただいた方の中には、「動詞が名詞の働きをするといえば、to不定詞」と思い出された方もいるかと思います。

確かにto不定詞も同じような働きをするのですが、動名詞との違いをおさえることが大切です。

まずわかりやすい違いとしては、前置詞の後には動名詞の形が来るということです。

《例》

〇 I'm good at cooking. / × I'm good at to cook.

（私は料理が得意です。※good at: ～することが得意）

〇 I gave up taking the test. / × I gave up to take the test.

（その試験を受けることをあきらめました。※give up: ～することをあきらめる）

〇 I'm looking forward to seeing you soon. / × I'm looking forward to to see you soon.

（あなたにもうすぐお会いできることを楽しみにしています。※look forward to: ～することを楽しみにしている）

toはもともと前置詞であるため、前置詞の後にto不定詞がくると少し違和感を感じるのではないでしょうか。

このように、文の中で前置詞の後に動詞が続く場合は、動名詞の形にしましょう。

３，to不定詞との違い②

２つ目の違いは、動詞との組み合わせにあります。動詞によって、①動名詞のみ伴うもの、②to不定詞のみ伴うもの、③どちらを伴うかで意味が異なるものがあります。

①動名詞のみ伴うもの

《例》avoid（避ける）、consider（よく考える）、enjoy（楽しむ）、finish（終える）、mind（気にする）、suggest（提案する）

I finished reading the book yesterday.（私は昨日その本を読み終えました。）

My son enjoys drawing by himself.（私の息子は一人で絵を描くことが好きです。）

Would you mind passing me the paper?（その紙をとって頂けますか？）

②to不定詞のみ伴うもの

《例》decide（決心する）、expect（予想する）、hope（望む）、mean（意味する）、offer（申し出る）、want（したいと思う）

They decided to buy the house.（彼らはその家を買うことを決めました。）

Tom offered helping me.（トムは私を手伝おうと提案してくれました。）

I want to eat Italian tonight.（今夜はイタリアンが食べたいです。）

③どちらを伴うかで意味が異なるもの

使い分けに迷ってしまうこともあるかもしれませんが、動名詞は「すでに起きていること」、to不定詞は「これから起きること」を表す、というイメージを掴んでおきましょう。

《例》

He remembered meeting the lady before.（彼は以前その女性に会ったことを覚えていた。）

He remembered to meet the lady in the afternoon.（彼は午後その女性に会うことを覚えていた。）

rememberの後に動名詞が続くと「～したことを覚えている」、to不定詞が続くと「忘れずに～する」という意味になります。

We tried taking the French lesson.（私たちはフランス語のクラスを受けてみました。）

We tried to take the French lesson.（私たちはフランス語のクラスを受けようとしました。）

tryの後に動名詞が続くと「試しに～してみる」、to不定詞が続くと「～しようと試みる」という意味になります。

I stopped checking her message.（彼女のメッセージを確認するのをやめました。）

I stopped to check her message.（彼女のメッセージを確認するために立ち止まりました。）

stopの後に動名詞が続くと「～するのをやめる」、to不定詞が続くと「～するために立ち止まる」という意味になります。

【Quiz】

次の文を英語にしてみましょう。

１，韓国語を話すことは難しいです。

２，彼は車を売ることを決心しました。

３，今朝庭の掃除を終えました。

４，明日アレックスに電話することを覚えておいてください。

↓　↓　↓　

【Quizの答え】

１，Speaking Korean is difficult.

２，He decided to sell his car.

３，I finished cleaning the garden this morning.

４，Please remember to call Alex tomorrow.